コラム
法人成りのメリット②
2021年8月12日
(「法人成りのメリット①」の続きです)
④出張日当
法人化する事によって経費として認められるものに「出張手当」「慶弔規定」などの社内規定があります。
出張などで交通費や宿泊費がかかれば、個人事業主も法人も経費にすることができます。しかし、法人の場合には、このうえ「出張手当」を支給できるようになります。この出張手当は法人の経費になりますから、交通費や宿泊費を経費にしたうえで出張手当も支給することができ、その手当を経費とすることができます。
この手当はもらった側も所得税が課税されませんし、当然社会保険にも影響はありません。さらに法人側ではこの経費は消費税の仕入税額控除も受けることが出来ます。
(仕入税額控除とは、大まかに言ってしまえば消費税法上の経費になる、という意味です)
纏めると出張手当は
・支払う法人側
1,法人税法上の経費になる
2,消費税法上の経費にもなる(給与は消費税法上の経費にならない)
・受け取る個人側
1,所得税が課されない
2,社会保険料も課されない
という法人にも個人にも美味しい手当なのです。
しかし当然あまりに多額の出張手当は否認される事があります。
その金額は判例を読み解くとかなり厳しい金額ではあるのですが、例えば社長が1日5千円くらいの日当で問題になる事はほとんどありません。
⑤役員社宅
個人事業主の場合は、自宅の家賃を経費とすることができません。
しかし法人の場合、法人が社宅を賃借し、それを社長に貸付けるという方法で家賃を経費にすることが出来ます。
この時、当然社長からは家賃を受け取る必要がありますが、この時の法人が借りて支払っている家賃と、社長から受け取っている家賃の差額分だけ法人の利益を圧縮することが出来ます。
この時、社長から受け取る家賃があまりにも低い金額だと「実質的な給与」とみられて課税される恐れがありますので注意が必要です。
⑥赤字の繰越
その年度の収支が赤字の場合その赤字額を、翌年度以降を繰越すことができます。
個人の場合は3年間ですが、法人の場合は10年間赤字を繰り越す事が出来ます。
法人成りのメリットの一部を解説させていただきました。(「法人成りのメリット③」に続きます)
太田和之税理士事務所では法人成り以外の節税にも力を入れております。
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